Keiti's illustrations for a serial novels in the Japanese magazine "S&M Sniper" from the late 80s to early 90s
<acrylic on canvas>
 先日のこと私が80年代後期より90年代前期にかけて雑誌「S&M スナイパー」に長く描き続けた連載小説の挿し絵がひとまとめに海を渡ることとなり、当時〆切に追われてやや心残りだったものをせっせと リ・ペイントを施しそれなりの姿になったので 一部を選択公開して皆さんの眼を開いて頂きましょう。
 この頃日本は まさにバブル期。世はビカビカと盛り上がり刺激的でゴージャス、愚か者は踊り小利口者は屁理屈を捏ね回す うたかたの繁栄の陰で 淫靡でいびつなビザール気分も又その官能の蔓を繁殖させてゆきました。
そーんな じゅくじゅくな爛熟ムードを良い事に私ゃ スナイパー誌の依頼に応えるべく毎月ご覧の挿し絵達を続々と誌面に開帳したのでした。
 私が組んだ全ての小説を書かれたのは 中井伸彦氏、とは実は ラヂカルなSF&サイコ・ホラー小説や映画評論で高名であられた作家 友成純一先生の分身。当初SFもありましたが主には シリアル・キラー達がひたすら快楽殺人を繰り広げてゆく話で、犯罪小説か?というと警察とすったもんだするような事も無く只々殺人行脚してゆく単刀直入殺戮小説で末世的な斬新さがありました。友成先生からは当初の打ち合わせで「ドイツ表現主義的な、」なぁんて言って頂いたんで気を良くしてグタグタと決定的シーンをより極端に描こうと心掛けました。やはり挿し絵は 絵看板であり添え物じゃないですからね。読者を引きずり込んでその前頭葉を支配すべきです! この連載をこなすことで私は かなり腕を上げた気がいたします。
 さて、その友成純一先生どうされてらっしゃるのか調べましたら何と昨年の夏にお亡くなりになったそうで、、何かの機会があればもう一度お会いして御礼の一言も伝えたかったと残念な気持ちで一杯です。この場を借りて心よりの追悼を念じます。
「友成先生、少なからず成長させて頂きました。ありがとうございます!」
 先生は 亡くなられましたが、もう一面の中井伸彦氏は 今も裏街の雑居ビルの暗い一室で少女の臓物でも弄びながらニヤニヤと宵闇の都会を眺めて悪徳の夢想を滴らせているのやも、、

 旧スナイパー編集部の皆様、特に担当してくだされた後の編集長
渡邊安治君 面倒かけましたが面白かったです。大いに感謝いたします!

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